- 2016.10.17
- キャンプ場
キャンプ場管理人日誌
キャンプ場管理人として、色々感じた、学んだことを備忘録として記載
以前、小豆島ふるさと村だよりで「管理人日誌」を掲載しておりました。今はブログ、ツイッター、フェイスブック、インスタグラム等のSNSにて発信しております。NO1~NO16までの全編を記載致します。
NO1「友情のひまわり」
1999.7.4掲載
今年も、キャンプ場の一角に、ひまわりがスクスクと育っています。
このひまわりは、亡くなった友人の奥さんが大好きだった花で、夫婦の思い出が一杯詰
まったものです。
そのひまわりを仲間たちが、友人と一緒に過ごす7月中旬のキャンプに合わせ、友人に
内緒で苗を植えたのが、このひまわりの始まりです。
このひまわりを植えたいと、初めてお越しになられた、その友人思いの人達は「こんな
無理なお願いなんですが、いかがでしょうか?」との申し出。キャンプ場としては、花を
植えて頂き、その上いいお話しのお手伝いが少しでも出来る訳ですから、もちろん断る理
由などどこにもなく、逆に植え付け後の水やり等のお手伝いを申し出致しました。
亡くなった奥さんも、みんなと一緒にキャンプを楽しんでもらいたいというそんな願い
を込めた、3年目の友情のひまわりが咲く日も近づいて来ました 。
NO2「キャンプ始めますか?」
1999.12.6掲載
キャンプを始める動機も色々あるようです。今回は、たかがキャンプ、されどキャンプ
と感じた事をご紹介致します。
60代のご夫婦、受付後なかなかテント設営が出来ない様子「どうしましたか?」と尋
ねると「始めてでわからない」との事、お手伝いをしてようやく設営を完了し、その後の
立話しの中で「実は外孫を連れ出す手段として、辿り着いた案がキャンプだったが、どこ
で道具を買ったらいいのかも判らず、忘れかけていたんですが、昨日たまたまデパートで
見つけ、早速練習のために来ました」との事。テントの傍らには百貨店の包装紙が付いた
ままの箱、取りも直さずキャンプに来られた様子がうかがえました。
「娘たちもキャンプをしているから、キャンプなら孫を預けてくれるだろう」との一念
がこのご夫婦のキャンプを始める動機。
そんな一念をも持たすキャンプ場の仕事に、心新たに取り組もうと感じさせて頂いたご
夫婦でした。
NO3「テントも嫁入り道具の一つ」
2000.3.19掲載
今回は、嫁入り道具の一つが、テントのお話です。
GW後の平日にお越しになった新婚のカップル、手慣れた設営で準備も終わった様子な
ので「平日がお休みですか?」と声をかけた所「GWが仕事で今日からお休みです」との
返事。
ふと、設営されているテントに目を向けると、ヨーロッパ製で性能も優れたテントだっ
たので「いいテントをお持ちですね。このテントをお持ちの方は、年間数組程度しか来ら
れないので、なかなか拝見出来ませんよ」とお話した所、奥さんが「相当古い物ですから
だいぶんガタが来てますけど、なかなか買い換えが出来なくて使っているんです」とのご
返事。
「10年ぐらいお使いですか?」の問いに「20年ぐらいになりますね。我家が初めて
キャンプに行く時に、買ったテントですから。それ以来、妹、弟と家族が増えても、しば
らくの間はこのテントを持ってキャンプに出掛けてましたけど、家族全員では狭くなり、
倉庫の奥にしまっていたのですが、私が彼と結婚する事になり、嫁入り道具の準備をして
いる時、父が『これも邪魔にならないようなら持って行けばいい』と倉庫から出し、手渡
してくれたのです。それで今日はこのテントの、新たな家族でのキャンプ再出発の記念す
べき一日なのです」とのお話。
もちろん「なかなか買い換えが出来なくて」と言うお話の意味は、キャンプの思い出が
いっぱい詰まったテントと、大切に保管し、持たせてくれたお父さんへの感謝の気持ちに
他ならないはずです。
キャンプを通して築く家族の思いやりの深さに、気付かせて頂いたご夫婦でした。
NO4「管理人の一番大事な事は長くやること」
2000.7.8掲載
管理人の仕事に就いた当初は、仕事内容、キャンプ場管理人としてのキャンパーとの立
場など、すべてにおいて今までの価値観では、対応できず、不安だらけの毎日でした。
そんな日々が2ヶ月ほど過ぎた週末、十組弱の予約が入っていたにもかかわらず、朝か
らの大雨でほとんどの方からキャンセルの連絡、そのような状況の中で一組のご年配のご
夫婦が、チェックインにお越しになり、早速大雨の中設営を始められました。「こんな大
雨で大丈夫ですか?」という、何の知識のない私の問いに対して「管理人さんこそ雨の中
でお話しせずに、テントの中にどうぞ」とのご返事。テントの中に入らせて頂くと「タオ
ルをどうぞ、テントは雨でも大丈夫ですよ!テント設営も工夫次第で雨に濡れなくて済む
し、設営してしまうと割と快適ですよ」とのお話し。
「実は管理人の仕事について、わからない事ばっかりで不安なんです。」とお話しした
所、「何事も経験です。とりあえず、がんばって管理人しましょう!」と励ましのお言葉
を頂き、トンネルの先に明かりが見えたような安心感を抱きました。
その後、大阪でのキャンピングショーでパンフレットを配布している時、励まして頂い
たご夫婦にお会いした際に「管理人まだやっているんですね。それでいいんですよ。まだ
やめたらだめですよ。」と声を掛けて頂きました。
その後もキャンプショーでお会いする度に「まだやっているんやね。キャンプ場にいつ
もの顔がある。これが管理人で一番大事な事です。」と声を掛けてくれます。
「管理人とは」を教えて頂いたご夫婦でした 。
NO5「憶えてます」
2000.12.8掲載
ここ8年、毎年11月最終もしくは、12月の第1週にお越しになるバイクグループ。
グループの方が最初にお越しになられた時は「何の集まりですか?」「学生のバイク仲
間です」の会話から始まって、それから1時間ほど世間話し後、キャンプ場から失礼し、
翌日普通にお見送りをして、その年は終わりました。
翌年の同じ頃、キャンパーもなく、帰宅している途中テントを積んだバイク数台とすれ
い「お泊なのかなぁ?」と思い、キャンプ場へUターン。案の定、先ほどのバイクのグル
ープの方が、暗闇の中管理棟で待っており「キャンプですか?」「はいそうです!よかっ
た管理人さんおられて!」この時点では、全く昨年のバイクの人達とは、失礼ながら気が
付いていませんでした。
受付終了後「昨年と同じ場所を使っていいですか?」の申し出で、初めて昨年ご利用頂
いた方だと認識したが、明確に思い出せないまま「憶えていますか?」の問い掛けに「憶
えています。確か?」と少し虚偽(その後の会話の中で、記憶が鮮明になる。)の返事。
その後、社会人になっても毎年同じ時期に、バイクに乗って同じメンバー(遠い方は関
東から)でお越しになります。
今年もそろそろその季節です、いつものお顔との1年に1度の再会を楽しみにしており
ます。
管理人の私に、同じ季節に同じお顔を見せて頂き「もうすぐ冬になりますよ!」と季節
を知らせて頂ける、ライダーキャンパーの皆様です。
NO6「ご無沙汰しております」
2001.3.27掲載
2年程前の秋、キャンプ場のPRのため、来阪した帰り道の山陽自動車道上り坂にて、
前を遮る一台のキャンピングカーに遭遇致しました。
「キャンプの帰りなのかなぁ?」と接近して見ると、愛媛ナンバーで「瀬戸大橋経由で
帰られるだろう」と勝手な推測をしながら、あまりの遅さに追い抜き、サービスエリアで
休憩を取っていると、先程のキャンピングカーもほどなくサービスエリアに到着致しまし
た。
休憩もそこそこに、出発しようと駐車しているキャンピングカーの前を通過する際、運
転席を見ると、見覚えのあるお顔だったので、車を止めて記憶をひも解き、2回ほどご利
用頂いているご夫婦の方とわかり、早速ごあいさつしようと思い、運転席の窓をノックし
て「ご無沙汰しております」というと「誰や?」とちょっと不審そうなご返答でしたので
「小豆島のキャンプ場の管理人です」というと「兄ちゃんかいなぁ」とようやく気付いて
頂いた様子。
このご夫婦、ご来場の際お聞きした話によると、半リタイアで1年の内、キャンプや海
外旅行とかで、3ヶ月程しか自宅におられないぐらい、ご夫婦で出掛けておられるとの事
です。
但し、他のキャンプ場さんから「奥さんが入院しているらしい」との話があって、また
最近こちらにもお見えでないので、心配をしていた時期でしたので、ひと安心したご夫婦
揃ってのサービスエリアでの再会となりました。
ちなみにこの時は、春から全国を回っての、自宅への帰路途中との事「さすがに5ヶ月
は疲れるわ」とご主人さんの言葉に「奥さんも、元気そうで安心しました」と声を掛け、
偶然の再会場所を後にしました。
NO7 「年末イベントの原点」
2001.6.9掲載
8年前の年末、イベントで初めて餅つきを行いました。
その際、女の子のお孫さんを連れたご年配の方が「この餅つきは、孫にとって大変良い
思い出になりました」と余りある労いの言葉(後でおせち料理も)を頂きました。
手探りでイベントを企画した我々スタッフには、その時頂いた言葉で、ようやく「餅つ
きを企画して良かった」事を確信出来たと同時に、ご利用の方との共有出来る、思い出が
持てた喜びと、仕事に対する充実感を得ました。
後日、その方より改めて、御礼の手紙と餅つきの写真を頂き、さらに仕事対する充実感
が倍増致しました。
それから歳月が流れた一昨年の年末に、度々ご利用頂く方から「今度、所属するキャン
ピングクラブで利用したい・・・」とのお話があり、そのクラブ名はあの時のご年配の方
が、所属するクラブ名で「○○さんいますよね」とお尋ねした所「その方にここを紹介さ
れて、利用し始めたのです」との事。
そして昨年の9月、そのクラブ利用の日に、懐かしいその方と再会を果たしました。夏
前後に入院されていたとの事ですが、お元気なご様子で奥さんとお越しになりました。
但し、今回はお孫さんの姿はなく「お孫さんは?」「今年の春に就職して大阪へ行って
しまいました」と寂しそうな表情でお話されました。
年末イベントを継続して来られた拠り所の原点は、あの時の労いの言葉であり、その時
に得た充実感を、思い出した再会となりました。
NO8 「バスガイドさんですか?」
2001.7掲載
昨年の夏休み、いつものように掃除を終え、当日受付のキャンパーを迎えていた時の
事、他のスタッフと外回りのゴミ拾いをしていると、「オラ~イ・オラ~イ」の声が、
聞こえてきました。
周りを確認すると、区画の駐車スペースに車を誘導している、女性の方だとわかりま
した。
その誘導している、「オラ~イ・オラ~イ」が、あまりにもプロらしく聞こえ「きっ
とあの人、バスガイドさんしていたのと違う?」と、他のスタッフと確信して、その場
を後にしました。
夜9時頃、管理棟前で涼んでいると、2組のご夫婦がお見えになり、よく見ると昼間
の女性の方が居られたので、「本日はプロの誘導をお聞かせ頂き、ありがとうございま
した」と申し上げた所、「聞こえてました?」「キャンプ場中聞こえてました。バスガ
イドさんですか?」「違います、BKレディでした」「BKレディって銀行にお勤めだ
ったのですか?」「そうですよ」「それじゃあのすばらしい誘導のかけ声はどうしてな
のですか?」の問いにその方のご主人さん「この前までGSレディだったから」とぽつ
りと一言。
あの誘導のかけ声は、バスガイドさんだったからではなく、ガソリンスタンドで、車
の誘導をして身につけた物だった訳です。何れにせよ、夏休み中盤で、疲れていた我々
スタッフに、ひと時の清涼感を与えて頂いた、素晴らしい「オラ~イ・オラ~イ」でし
た。
NO9 「管理人やってますね」
2001.11掲載
以前管理人日誌4にて、掲載致しました「管理人の一番大事な事は長くやること」を覚
えていますでしょうか?
その時に、ご紹介致しました、ご夫婦の方が9年ぶりにお越しになり「管理人続けて
くれていたのですね」と、開口一番おっしゃって頂きました。
今はご夫婦2人ともに退職され、人生を楽しむ事を中心に、生活を送っておられると
のお話しでした。
今回もその一つとして、ユースホステル「小豆島一周百キロ連続歩行」に参加される
ための、キャンプ泊でした。
このご夫婦に、9年前に温かい励ましを頂き、今まで管理人として従事する事が出来
たと言っても過言でなく、うれしい再会となりました。
滞在中色々なお話しをさせて頂きましたが、9年前と全く変わりないキャンプに関す
る事や、人となりについてのお考えでした。
お帰りの際には「まだ管理人やめたらだめですよ」といつものお言葉をかけて頂き、
私自身も初心を忘れずに、一貫した信念を持ち続けなくてはならない事をご夫婦にお約
束致しました。
次回のご利用時に「キャンプ場変わったね」と言われないように、お約束した通りの
一貫した信念を持ち続け、日々業務に従事して参ります。
このように自分自身の業務の源となる方が、訪れて頂けるから信念を持ち続けられる
のか、それともその逆なのかを、今後自分なりに考えて参りたいとも思います。
NO10 「寒のゆるみに再会」
2002.3.30掲載
7年ほど前の2月に、キャンプ場をご利用頂いた大阪のご家族が、今年の2月中旬に
再度ご来場されました。
以前お越しの時に、キャンプ道具も作っている工場を、経営されている事を伺ってお
り、その後キャンプショーなどへ出掛けると、そのキャンプ道具の販売や、見学などで
よくお会いする機会がありました。
昨秋にその類のショーで、2年ぶりにお会いし、暫し雑談を交わしました。そのショ
ーから帰った後、いつもお越しになる奈良のご家族との雑談の中で、その方の同僚と大
阪の方が旧知の仲で、間接的に知っているとの事がわかり、世の中広いようで狭いもの
だとお話を致しました。
今年になり、大阪の方から「2月に利用したいが、ほかに3組も利用するのでよろし
く」と電話がありました。また利用時に餅つきも行いたいとの要望もあり、道具等の準
備のお約束をし、後は当日の天候(寒さと風)だけを祈りつつ、電話を終えました。
その理由は前回のご利用時が、強風と寒さの中でのキャンプだった事と、今回の同行
される人達がその方の仕事の取引先の方で、キャンプに慣れていない皆様だと伺ってい
たので、荒天では暗いキャンプシーンになってしまう事を危惧したためです。
その心配もよそに、2日間は寒もゆるみ、2月としては最高の天候で、餅つきやゲー
ムを楽しまれました。
その楽しまれている姿を励みに、今後も管理人を続けて参ります。
NO11 「3年越しの約束」
2002.6掲載
この春休みに、キャビンをご利用頂いたご家族は、三年前の春休みにトレーラーハウ
スを最初にご利用頂いた家族で、3年前は小学を卒業する息子さんとその友達、そして
奥さんの4人でのご利用で、今回は、もう一人の息子さんも同行したご利用でした。
受付後、しばらくすると、息子さんとその友達が「おっちゃん、シイタケ今回も採ら
してもらえる?」とやって来たので、栽培している場所へと案内すると「おっちゃんに
前来た時に、もらっておいしかったから、今回も楽しみにしていたんや、ありがとう」
とうれしい言葉が返ってきました。「それと今度来たら貝掘りしようか?言うてたやん
か」との問いに「ほんまかぁ?それは忘れとった。それじゃ明日行こうか?」と約束。
次の日、道具を揃えて場所まで案内し「こんな所掘ったらえいからなぁ」と要領を説
明し「後は頑張って!」と声を掛け、キャンプ場に戻りました。
2時間ほどして「たくさん掘れたよ!」と喜びながら帰って来ました。3年前に比べ
て、体も受け答えも大人びた2人でしたが、「シイタケ採り」や「貝掘り」を楽しむ姿
を見ると、3年前に約束した時の2人の姿が鮮明に蘇って来ました。
利用者との長い月日の中での何度かの接点、これもまた管理人業務を続けて行く上で
の大きな励みです。
NO12 「島猫見に来ました」
2002.7掲載
キャンプ場を訪れる方との語らいは、色々な情報?を得る事が出来ます。
毎年来られるバイクのお客さんとの語らいの中で「北海道では、大概えぞ○
○と云う動物、植物が多いでしょう。例えば有名所では、えぞ鹿等々。馴染み
少ない所では、えぞ黒鳥もいるんですよ!」とのお話。「それは北海道ですか
ら、黒い鶴ですか?」と尋ねた所、「ここにも似た鳥がいますよ。わかりませ
んか?北海道にいるカラスの事。えぞ黒鳥と云うのは冗談ですが。」こんな冗
談話もその一つです。
数年前のG・Wにお越しになった、2人組のバイクキャンパーの方が「管理
人さん、朝起きたらパンとかを何物かに食べられていましたが、何か動物とか
棲んでいますか?」との問いに、先出での話を元に「島黒鳥とか、島猫だと思
いますけど。」「何ですか?、小豆島にはそんな珍しい物がいるんですか?」
「北海道に棲んでいると、えぞ○○と云うのが多いでしょう。だから小豆島に
棲んでいる物も島○○と呼んでいるんです。普通のカラスと野良猫の事ですけ
ど。」とお答えすると「島だけに本当かと思いました。」そんな会話をし、お
別れいたしました。
昨年のG・W終盤、掃除をしていると「島猫は絶滅していませんか?」とそ
のバイクキャンパーが来場されました。「あれから、バイク仲間へ小豆島に行
くと、島猫とか島黒鳥とか珍しい生き物がいて、その上その生き物を操ってい
る島管理人がいるキャンプ場あるぞと案内しているんですよ。」と、逆に一本
取られました。
今度ご来場の際には一本取り返そうと、そのバイクキャンパーとの再会を楽
しみにしております。
NO13 「夏の忘れ物」
2002.12掲載予定
「夏の忘れ物?大量出現!」
今年の夏も、各方面から多くの方がキャンプ場へお越しになり、賑やかな
40日間となりました。
当然、お帰りになった後は、場内のトイレ、炊事場の掃除、ゴミ拾い等の
場内整備を行い、次のご利用者をお迎えいたします。その中で、芝生に落ち
たゴミ、食べ物等を拾う作業に結構時間を費やすもので、炭のかけらや米つ
ぶ、野菜クズ等を火ばし、ほうきを使って取り除いていくのですが、今年は
特にアウトドアらしく?スイカの種を辺り一面に散らかしてお帰りの方も中
にはおられ、少々困惑いたしました。
その時は、ほうきで掃いて取り除いたと思っていたのですが、8月の後半
から雨が適度に降るようになり、場所によっては数十本のスイカの芽が顔を
出し、9月前半は日々抜き取り作業の繰り返しでした。
そんな繰り返しの日々も一段落したある日、トラックに乗って場内を走っ
ていると、側溝の脇にボールらしき物が落ちているのが目に入り、トラック
を止めて拾うと近づいた所が、それはテニスボール大に成長したスイカでし
た。形、色も普通サイズのスイカと同じで、中身も少し赤くなっておりまし
た。残念ながら?味は試しておりませんが・・・
「夏草や強者どもが夢のあと」の句を思い出し、しばし一句ひねったもの
の、字余りばかりにて断念。さて、来年はいかなる強者が姿を現すのか?
NO14 「さらなる意気込み」
2003.3掲載
昨年末も、利用者サービスとして、餅つき年越しうどん作り等の年越しイベントを開催
致しました。
我々スタッフ(私自身だけ?)は、毎年準備している慢心から、いつになく段取りの悪
さにて、表面的にはお客様にご迷惑掛かるよな事はなかったものの、自己嫌悪になるよう
なイベントスタートとなりました。
そんなイベントスタートにもかかわらず、参加されたお客様から「事前に案内頂いて楽
しみにしていた。」「毎年年末はこのイベントに参加して年を越す事が恒例。」等の好評
な声を多数聞き、自分の慢心に恥ずかしさを感じ得ないわけには、行きませんでした。
また、同時に以前この「管理人日誌」に書いた「イベントの原点」で申し上げたように
イベントの始まりは「スタッフも何か楽しみたい」そんな気軽な気持ちで行ったイベント
であったが、参加されたご年配の方から「孫に貴重な経験をさせてもらった。」そんな感
謝の気持ちをお聞きし、継続して開催して行こうと思った事を思い出しました。
慢心にて満足な準備も出来なかったイベントではあったが、逆に好評な声を多数お聞き
し、自己嫌悪の自分が救われる思いと同時、初心の気持ちを忘れずに、来年もイベントの
ご案内をさせて頂こうと「さらなる意気込み」を感じました。
ただし、今はいちご園の仕事が忙しく、キャンプ場へはあまり立ち寄っていない次第で
あります。
NO15 「ジンクスで?再会」
2003.6掲載予定
10年前より、定期的にお越しになっていた 名古屋のご家族、滞在中は色々と楽しいお話
や、キャンプ場へのアドバイス等々を頂きそのご家族がご利用されるのを楽しみにしており
ました。
ところが4年前に「名古屋の方から予約が入ったけど、少し確認事項があるので電話下さ
いと、おっしゃってましたよ」と他の職員から伝言があり、ご連絡を差し上げて確認事項等
々のお話をし「ご利用をお待ちしております」と言った数日後に、お子さんが出来たので行
けなくなったと連絡があり、その年は 結局お越しになりませんでした。
次の年も前回同様、連絡を差し上げた直後に、ご主人さんが足の骨にひびが入ったという
事でキャンセルになってしまいました。
そして今年のゴールデンウィークに2年ぶりにご予約を頂き、いつものように「少し確認
事項があるので・・・」と他の職員から伝言がありましたが、甚だ失礼ながら連絡を取らず
にいました。「再度、電話下さい」との伝言を伝えに来た職員が「なんで電話しなかったん
ですか?私がその方に怒られますから、必ず今度はして下さいよ」と念を押して帰りました
が、やはり今回も連絡を 取りませんでした。
そしてお越しになった日、開口一番「電話下さいと伝言聞かなかった?」とあまりにも当
然な問いに「もし連絡を取ってしまうと、過去2回のように、突然都合が悪くなってしまう
のではないか?それも足の骨にひびが入った以上の事にでもなればと。だから失礼を承知の
上で、過去2回のジンクスを逆手に取ったのです。」と返答致しました。
その方も「それで今回は何も都合が悪くならずに、ようやく小豆島に来る事が出来たと言
うわけやね」と納得頂きました。
かなり強引で非礼な方法ではありましたがようやく再会を果たす事が出来ました。
NO16 「区画のご希望は・・・」
2003.7掲載予定
キャンプでは、テントを設営する所等を区画(サイト)と呼んでおります。「お客様の区画は何番です」、
「上段の区画の方です」等のような感じです。
また、繁忙期には他のお客様の泊数や利用組数等の理由で、お客様から区画のご希望はお断りしております
が、その時期以外については、よほどの理由がない限りご希望を承っております。
さて、度々ご利用頂くお客様には、多少繁忙期でも区画のご希望の融通をきかせる事は正直言ってあるので
すが、中にはバイクでお越しのお客様で、最初のご利用時に満杯状態だったために、「区画でない場所でも良
ったらどうぞ!」と、利用をお受けしたばっかりに、満杯でもないにも拘わらず、いつ来られても「区画はお
好きなところでどうぞ!」とご案内すると、最初の苦肉の策でお受けした、本来区画でない所へ必ずテントを
設置されます。「他にも空いておりますから、そこでなくてもいいですよ」とお声を掛けてはみても「ここが
多少斜めになっていて、寝心地がいいので・・・、それにいつでも必ず空いているから」とのご返答。
このお客様のご希望区画、いや、区画でない所なので、ご希望場所はいつもの所になっておりましたが、最
近ようやく心境の変化?なのか「やっぱりこっちの区画にします」と本来の区画に設置されております。心境
の変化に至った真意は、よくよくお聞きすると「テント中でいる時、横を通った人の言葉がちょっと気になり
まして」その言葉とは「ここ区画ではないよね。だけどテント張っていると云うことは、ここのぬし的な人な
のかも知れないね」そんな言葉が心境の変化をもたらしたとの事です。
「管理人さんがここのぬしになんですから、私がぬしになるわけにはいけませんでしょう!」と心境の変化
に対する言及したお言葉に、管理人として12年経った私には「ぬし」という言葉が、心地よくないはずがな
いのはいうまでもありません。